- 防災
- 2023.12.18
災害時の究極の選択・感情と理性・Regrets
いまさら おそいけど
大声で笑ってても
何かに怒ってても
君はもういない
Regrets/KAN
ピースアップの宮田です。
みなさんは笑ったり怒ったり
感情的なほうでしょうか。
それとも「君はもういない」と
理性的なほうでしょうか。
私は理性的なほうだと自分では思っています。
それでも服の袖がずぶ濡れになるくらい
涙が止まらないときもあります。
災害時には多くの命が救われて欲しい。
できるならばすべての命が。
そのためには感情と理性が入り混じった
究極の選択を何度もしなければなりません。
災害時でも感情を大切にしたいけれど
感情的な選択だけでは救えない命があります。
理性的な選択が正解とも言えません。
2011年3月11日。
15歳のときに東日本大震災で被災した
菅原彩加さんの話です。
自宅で菅原さんの家族5人を津波が襲いました。
菅原さん自身は瓦礫の上に流れ着き助かりました。
その時、足下から菅原さんを呼ぶ声がしました。
かき分けて見てみると釘や木が刺さり足は折れ、
変わり果てたお母さんの姿がありました。
右足が挟まったお母さんを助けるため
瓦礫をよけようと頑張ったけれどどうにもならない。
お母さんを助けたい。
でもここにいたら自分も死んでしまう。
お母さんは「行かないで」と言ったそうです。
「行かないで」というお母さんに
「ありがとう、大好きだよ」と伝え
菅原さんは近くの小学校へ泳いで避難しました。
「行かないで」瓦礫の下に母親を残し…菅原彩加さんによる遺族代表スピーチ
極限の状況で菅原さんは選択を迫られていました。
最初の選択は自分の命よりも
お母さんを助け一緒に逃げること。
次にお母さんと別れ自分ひとりで逃げること。
多くの選択が頭に浮かんだだろうし
葛藤もたくさんあったと思います。
しかし極限の状況で選択できることは
そんなに多くはありません。
きっとお母さんにも葛藤がたくさんあったはずです。
自分だったらどうしただろう。
もし自分が生き残ったとしても
選択は間違いだったと一生後悔するかもしれません。
いまさら おそいけど
大声で笑ってても
何かに怒ってても
君はもういない
勇気を持って語り続けている
被災者の方の話を感情だけで終わらせず
その選択を理性的に自分に置き換えてみる。
それを大切な人と話してみる。
例えば
自分と大切な人が被災。
助けは来たが救助できるのは1人だけだったら。
シブヤ大学のワークショップでも
選択の重要性が取り上げられています。
クリスマス・年末年始の集まりで
大切な人と防災について語り合うのも
すてきな過ごし方だと思います。
KANのRegretsには
「君につくってたchristmas song」
という歌詞があってクリスマスにぴったりです。
失恋の歌ですが。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それではまたblogを書きます。
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